Teamsか、Chatworkか、Slackか?10〜50名規模に最適な社内SNS比較
「結局、どのツールがいいの?」——選べない悩み
「うちもそろそろSlackを導入しよう」
「いや、Teamsのほうがいいんじゃないか?」
「Chatworkなら日本語サポートが手厚いって聞いたけど…」
10〜50名規模の企業で、社内SNSや情報共有ツールの導入を検討するとき、必ずと言っていいほどこの議論が起こります。
Google検索で「社内コミュニケーションツール 比較」と調べると、10以上のツールが並び、それぞれ「おすすめ」と書かれている。
機能比較表を見ても、どれも似たような機能が並んでいて、決め手がわからない。
「結局、うちの規模に合っているのはどれなんだ?」
この疑問に答えられないまま、導入が先送りになっていませんか?
あるいは、「とりあえず」で導入したツールが定着せず、気づけばメールとLINEとSlackがバラバラに使われている——そんなツール疲れの状態に陥っていませんか?
DX推進において、コミュニケーション基盤の選択は極めて重要です。
この記事では、10〜50名規模の企業に特化して、Teams・Chatwork・Slackを中心に情報共有ツールを比較し、自社に最適なツールを選ぶための判断基準をお伝えします。
「どれも同じに見える」のには理由がある
実は、主要なビジネスチャットツールは、基本機能においてはほぼ横並びです。
共通する基本機能
- テキストチャット(個人・グループ)
- ファイル共有
- 検索機能
- 通知設定
- モバイルアプリ対応
- ビデオ通話(または連携)
これらは、どのツールを選んでも使えます。
だから比較表を見ても「どれも同じに見える」のは当然なのです。
差が出るのは「運用」
本当の違いは、運用してみないとわからない部分に現れます。
- 社員が使いこなせるか
- 管理者の負担はどの程度か
- 外部とのコミュニケーションはどうするか
- 既存のツールとの相性はどうか
- 将来的なスケールに対応できるか
こうした「運用面」での違いこそ、ツール選びの決め手になります。
ツール比較の本質
この記事で解決できること
この記事を読み終えるころには、以下のことが明確になります。
- Teams・Chatwork・Slackそれぞれの「得意分野」と「苦手分野」
- 10〜50名規模の企業が重視すべき選定ポイント
- 「うちにはこれが合う」という判断基準
- ツール疲れを起こさない導入のコツ
では、それぞれのツールの特徴を見ていきましょう。
Microsoft Teams:Microsoft 365ユーザーなら第一候補
概要
Teamsは、Microsoftが提供する統合コラボレーションプラットフォームです。2017年にリリースされ、現在はMicrosoft 365の中核を担っています。
強み
1. Microsoft 365との完全統合
Word、Excel、PowerPoint、OneDrive、Outlook——これらを日常的に使っているなら、Teamsは最も自然な選択肢です。
ファイルをTeams上で直接編集でき、Outlookの予定表と連動し、SharePointのファイルにシームレスにアクセスできます。
2. ビデオ会議機能が標準搭載
Zoomなどの外部ツールを別途契約する必要がありません。画面共有、録画、背景ぼかし、字幕など、ビデオ会議に必要な機能がすべて揃っています。
3. 大企業での実績
Fortune 500企業の多くがTeamsを採用しており、セキュリティやコンプライアンスに関する機能も充実しています。
弱み
1. UIが複雑
「チーム」「チャネル」「チャット」「会議」——概念が多く、ITリテラシーが高くないメンバーには習熟に時間がかかります。
2. 動作が重い
PCのスペックによっては、Teamsの起動や動作が遅く感じられることがあります。特にMacユーザーからの不満が多い傾向があります。
3. 「Teams疲れ」のリスク
通知が多く、チャネルが乱立しやすいため、ツール疲れを引き起こしやすいという声も。
料金(2025年時点)
- Microsoft 365 Business Basic:月額750円/ユーザー
- Microsoft 365 Business Standard:月額1,560円/ユーザー
※Microsoft 365を既に契約していれば、追加費用なしで利用可能
10〜50名規模での評価
Microsoft 365を全社で利用しているなら、追加コストなしで導入できるため有力候補。ただし、運用ルールをしっかり定めないと「チャネルの墓場」になりがち。
Chatwork:日本企業の「肌感覚」に合う
概要
Chatworkは、日本発のビジネスチャットツールです。2011年にリリースされ、国内では圧倒的な知名度を誇ります。導入企業は43万社以上。
強み
1. シンプルで直感的なUI
ITに詳しくない社員でも、LINEを使ったことがあればすぐに使いこなせます。「グループチャット」という概念もわかりやすい。
2. タスク管理機能
チャット内で直接タスクを作成・管理できる機能は、Chatworkの大きな特徴です。別途タスク管理ツールを導入しなくても、簡易的なToDo管理ができます。
3. 日本語サポートの手厚さ
サポートは完全日本語対応。電話サポートもあり、ITに不慣れな企業でも安心です。
4. 社外とのコミュニケーションが容易
取引先や顧客がChatworkユーザーなら、社外グループを作って直接やりとりできます。日本のBtoB企業では、この「社外連携のしやすさ」が選定理由になることも。
弱み
1. 外部連携の弱さ
SlackやTeamsに比べると、外部サービスとの連携(API・インテグレーション)が限定的です。「Chatworkを中心に業務を自動化したい」という用途には向きません。
2. スレッド機能がない
Chatworkにはスレッド機能がありません。話題が入り乱れやすく、後から会話を追うのが難しくなることがあります。
3. 無料プランの制限
無料プランでは、グループチャット数やメッセージ閲覧期間に制限があります。本格運用には有料プランが必須です。
料金(2025年時点)
- フリー:0円(制限あり)
- ビジネス:月額700円/ユーザー
- エンタープライズ:月額1,200円/ユーザー
10〜50名規模での評価
「まずはシンプルに始めたい」「ITに不慣れな社員が多い」「社外とのやりとりもしたい」という企業にはベストマッチ。ただし、将来的に高度な自動化や連携を求めるなら、乗り換えを視野に入れる必要あり。
Slack:カスタマイズ性とエンジニア文化
概要
Slackは、2013年にリリースされたビジネスチャットツールです。もともとゲーム開発会社の社内ツールとして生まれ、IT企業やスタートアップを中心に急速に普及しました。2020年にSalesforceに買収されています。
強み
1. 圧倒的な拡張性
2,000以上のアプリとの連携が可能。Google Workspace、Salesforce、GitHub、Notion、Zapier——使いたいサービスは、ほぼ確実にSlackと連携できます。
2. ワークフロービルダー
コード不要で業務フローを自動化できる機能。承認プロセスや定型作業をSlack内で完結させることができます。
3. 優れた検索機能
過去のメッセージやファイルを素早く見つけられる検索機能は、Slackの大きな強みです。「あの話、いつしたっけ?」がすぐに解決します。
4. カスタム絵文字と独自文化
カスタム絵文字でリアクションする文化は、Slackならでは。「:ok:」「:ありがとう:」など、コミュニケーションを活性化させる仕掛けがあります。
弱み
1. 習熟にコストがかかる
「チャンネル」「スレッド」「ダイレクトメッセージ」「Huddle」——概念が多く、慣れるまでに時間がかかります。特に非エンジニアには敷居が高く感じられることも。
2. 無料プランでのメッセージ制限
2022年以降、無料プランではメッセージ履歴が90日に制限されています。ナレッジの蓄積が重要な企業には、有料プランが必須です。
3. 「Slack漬け」になりやすい
通知の嵐、チャンネルの乱立、即レス圧力——Slack運用が適切でないと、かえって生産性を下げてしまうリスクがあります。
料金(2025年時点)
- フリー:0円(90日のメッセージ履歴制限あり)
- プロ:月額1,050円/ユーザー
- ビジネスプラス:月額1,800円/ユーザー
10〜50名規模での評価
IT企業やスタートアップ、開発チームがある企業には最適。外部サービスとの連携を活用すれば、業務効率化の効果は大きい。ただし、運用ルールを定めないと「Slack疲れ」に陥る可能性も。
3つのツール比較
その他の選択肢
主要3ツール以外にも、検討に値するツールがあります。
LINE WORKS
- LINEの使い勝手そのままでビジネス利用可能
- 現場スタッフが多い業種(小売、飲食、介護など)に人気
- 社外のLINEユーザーとも連携可能
- 料金:月額450円〜/ユーザー
Google Chat
- Google Workspaceユーザーなら追加費用なし
- Googleドライブ、カレンダーとの連携がスムーズ
- 機能は比較的シンプル
Discord
- もともとゲーマー向けだが、ビジネス利用も増加
- 無料でも多機能
- 音声チャットの品質が高い
- セキュリティ面では企業向けツールに劣る
10〜50名規模が重視すべき5つの選定ポイント
ツールの特徴を理解したところで、10〜50名規模の企業が重視すべき選定ポイントを整理しましょう。
ポイント1:導入の容易さ
大企業と違い、10〜50名規模の企業には専任のIT担当者がいないことも多いです。
- 初期設定にどれくらい時間がかかるか
- 社員への教育コストはどれくらいか
- マニュアルを作らなくても使えるか
この観点では:Chatwork > LINE WORKS > Slack > Teams
ポイント2:コスト
10〜50名規模では、1人あたり数百円の差も総額では大きな違いになります。
50名規模での年間コスト比較
| ツール | 年間コスト(概算) |
|---|---|
| Teams(Microsoft 365 Business Basic) | 45万円 |
| Chatwork(ビジネス) | 42万円 |
| Slack(プロ) | 63万円 |
| LINE WORKS(スタンダード) | 32万円 |
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※既にMicrosoft 365を契約しているなら、Teamsは追加費用ゼロ
ポイント3:社外連携の必要性
取引先や顧客とのコミュニケーションが多い場合、社外連携のしやすさは重要な判断基準です。
- Chatwork:社外グループの作成が容易。日本の中小企業では浸透率が高い
- Slack:「Slackコネクト」で社外ワークスペースと連携可能(有料プラン)
- Teams:ゲストアクセス機能はあるが、相手がMicrosoftアカウントを持っている必要がある
- LINE WORKS:LINEユーザーとの連携が可能
ポイント4:既存ツールとの相性
新しいツールを導入するとき、既存環境との相性は極めて重要です。
- Microsoft 365を使っている → Teams
- Google Workspaceを使っている → Slack or Google Chat
- 特定のCRM/SFAを使っている → そのツールとの連携を確認
- 特にない → 自由に選べる
ポイント5:将来のスケールアップ
10名の会社が将来100名になる可能性はあります。
- 人数が増えたときに対応できるか
- 機能が足りなくなったときにアップグレードできるか
- 他のツールへの移行は容易か
この観点では、SlackやTeamsのほうが拡張性が高いと言えます。
「どれを選ぶべきか」——ケース別おすすめ
以下は、典型的なケース別のおすすめです。
ケース1:Microsoft 365を全社で使っている
→ Teams一択
追加コストなし、Officeファイルとの連携も完璧。迷う理由がありません。ただし、チャンネルの命名規則や運用ルールは最初に決めておきましょう。
ケース2:ITに不慣れな社員が多い
→ Chatwork または LINE WORKS
シンプルさを最優先。「使われないツール」になってしまっては意味がありません。まずは定着させることが最重要です。
ケース3:IT企業・スタートアップ
→ Slack
エンジニアの満足度が高く、GitHub等との連携も充実。カスタマイズ性を活かして、独自のワークフローを構築できます。
ケース4:取引先とのやりとりが多い(BtoB)
→ Chatwork
日本のBtoB企業での浸透率が高く、社外グループの作成も容易。「相手がChatworkを使っていた」というケースは多いです。
ケース5:現場スタッフが多い(小売・飲食・介護など)
→ LINE WORKS
スマホ中心の業務で、LINEに慣れたスタッフが多い環境では、LINE WORKSの親和性が高いです。
ケース6:決めきれない・複数のニーズがある
社内の情報共有と社外とのコミュニケーション、どちらも重視したい。シンプルさと拡張性のバランスを取りたい——そんな場合は、Seediaのような、中小企業に特化した社内SNSを検討してみるのも一つの選択肢です。特定のツールの欠点を補完する形で、複数のツールを組み合わせる企業も増えています。
ツール疲れを起こさない導入のコツ
ツールを決めたら、次は導入です。ここで失敗すると、せっかくのツールが「使われない箱」になってしまいます。
コツ1:既存ツールを「置き換える」意識
「新しいツールを追加する」ではなく、「既存ツールを置き換える」という意識が重要です。
- メールでの社内連絡 → チャットに移行
- 紙の回覧 → ファイル共有に移行
- 対面の報告 → 非同期の投稿に移行
ツールを増やすのではなく、整理するのがDX推進の本質です。
コツ2:段階的な導入
いきなり全社導入ではなく、まずは1つの部署やプロジェクトで試験運用しましょう。
- 使い方のルールを実際の運用で練る
- つまずきポイントを洗い出す
- 成功事例を作って、社内に広げる
コツ3:トップのコミットメント
経営者や管理職が積極的にツールを使うことで、社員の利用も促進されます。
「社長もSlackで発信している」 「部長への報告はChatworkで」
こうした空気ができれば、定着は時間の問題です。
コツ4:運用ルールを明文化
- どのチャンネルで何を話すか
- メンションのルール
- レスポンスの期待値
- 業務時間外の通知ルール
これらを最初に決めておくことで、ツール疲れを防げます。
コツ5:定期的な振り返り
導入3ヶ月後、6ヶ月後に振り返りの場を設けましょう。
- 使われていないチャンネルはないか
- 困っている社員はいないか
- もっと活用できる機能はないか
ツールは導入して終わりではなく、育てていくものです。
こんな方にツール選定をおすすめします
以下に当てはまる方は、今すぐツール選定に取り組むことをおすすめします。
- DX推進の第一歩として、コミュニケーション基盤を整えたい
- メール中心の働き方に限界を感じている
- 複数のツールが乱立してツール疲れが起きている
- リモートワーク・ハイブリッドワークの環境整備が必要
- 10〜50名規模で、情報共有ツールの導入を検討中
- 既存のSlack運用がうまくいっておらず、見直したい
- 社内SNSを導入して、組織のエンゲージメントを高めたい
いずれか1つでも当てはまるなら、この記事の比較を参考に、自社に合ったツールを選んでみてください。
まとめ:「正解」は自社の中にある
まとめ:ツール選びの判断基準
この記事では、10〜50名規模の企業に最適な情報共有ツールを、Teams・Chatwork・Slackを中心に比較しました。
各ツールの特徴まとめ
| ツール | 強み | 弱み | おすすめの企業 |
|---|---|---|---|
| Teams | Microsoft 365との統合、ビデオ会議 | UIの複雑さ、動作の重さ | Microsoft 365ユーザー |
| Chatwork | シンプルさ、日本語サポート、社外連携 | 拡張性の弱さ | IT不慣れな企業、BtoB |
| Slack | 拡張性、検索機能、カスタマイズ性 | 習熟コスト、料金 | IT企業、スタートアップ |
| LINE WORKS | LINEとの親和性、現場向け | ビジネス機能の限界 | 現場スタッフ中心の業種 |
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選定の5つのポイント
- 導入の容易さ:社員が使いこなせるか
- コスト:年間の総額で比較
- 社外連携:取引先とのコミュニケーション
- 既存ツールとの相性:今使っているサービスとの連携
- 将来のスケールアップ:成長への対応力
結局のところ、「最高のツール」は存在しません。
あるのは、**「自社に最適なツール」**だけです。
Teams・Chatwork・Slackのどれを選んでも、運用次第で成功も失敗もあり得ます。
大切なのは、自社の状況(人数、ITリテラシー、既存環境、予算、将来計画)を正確に把握し、それに合ったツールを選ぶこと。
そして、選んだ後は運用ルールを整え、定着させていくことです。
DX推進の本質は、ツールを入れることではありません。
働き方を変えることです。
まずは、この記事の比較を参考に、自社に合いそうなツールを2〜3に絞ってみてください。
そして、無料トライアルを活用して、実際に触ってみる。
その「手触り」が、最終的な判断材料になるはずです。
正解は、あなたの会社の中にあります。